※この血液検査は、発症の可能性をチェックするもので、
単独で確定診断を行なうための検査ではありません。
栄養状態や肝臓・腎臓の状態などを反映します。
血液から赤血球、白血球、血小板などの血球成分を除いた、血漿(けっしょう)中の蛋白成分の濃度のことです。
総蛋白には100種類以上の成分があるといわれ、生命維持に大変重要な役割を果たしています。
脱水症、慢性炎症(膠原病など)、肝硬変、骨髄腫、悪性リンパ腫などが疑われます。
栄養摂取不良、吸収不良症候群、ネフローゼ症候群、慢性下痢、蛋白漏出胃腸症候群、悪性疾患(ガン)、甲状腺機能亢進症、急性炎症性疾患などが疑われます。
肝細胞で合成される蛋白で、総蛋白の60%を占めます。
アルブミンは血液の浸透圧を保つ役割や栄養分やホルモンなどを各臓器に運ぶ役割を持っています。
アルブミンが極度に低下すると浮腫(むくみ)の原因にもなります。
血清アルブミン値の測定は、栄養状態や肝障害の程度を判定する際に役立ちます。
アルブミンが高いことで問題となることはほとんどありません。
基準より高い場合でもあまり心配要らないでしょう。
総蛋白と同様です。
栄養摂取不良、吸収不良症候群、ネフローゼ症候群、慢性下痢、蛋白漏出胃腸、症候群、悪性疾患(ガン)、甲状腺機能亢進症、急性炎症性疾患などが疑われます。
元々細胞の中にある酵素で、細胞が壊れることで血液中に流れ出てきます。
これらの酵素を測定することで肝細胞などの障害の程度がわかります。
アミノ酸代謝に重要な働きをする酵素で、GOTは肝臓・骨格筋・心筋・赤血球などに含まれています。
GOTはGPTとともに、肝炎や慢性肝疾患の診断や経過観察に不可欠な検査として大変常用です。
また、肝臓疾患の他、筋疾患(筋炎・筋ジストロフィー・筋の外傷など)、心筋梗塞、血液の可能性もあります。
各種の肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝癌、心筋梗塞、筋疾患、溶血性疾患
ほとんどの場合、問題ありません。
GOTと同様にアミノ酸代謝に重要な働きをする酵素ですが、体の中ではほとんどが肝臓に含まれています。
GPTの値は肝細胞の破壊の程度に鋭敏に反応するため、高い場合は肝臓疾患が強く疑われます。
各種肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝癌
ほとんどの場合、問題ありません。
肝臓内の胆管の上皮細胞(管の内側を裏打ちしている細胞)内に存在し、肝臓での胆管系のうっ滞が原因となって血中濃度が上昇します。
肝機能障害や胆汁排泄障害などで高くなります。
とくにGOTやGPTと比較してアルコール性肝障害で著しい上昇を示すのが特徴です。
アルコール性肝炎では高い値を示しますが、多くの場合は禁酒によって急速に改善を示します。
肝炎、肝癌、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、胆道系疾患、膵頭部癌、心筋梗塞など
ほとんどの場合、問題ありません。
アルコール性肝障害と過食・肥満による脂肪肝がしばしば問題になります。
アルコール性肝障害は、初期段階ではまずγ-GPTのみ上昇し、続いてGOT、GPTともに高い値になります。
脂肪肝の場合は初期の段階では肝機能の値に異常が認められませんが、肝臓内への脂肪蓄積が非常に多くなるとGOT、GPTも高くなり、実際肝炎と同様の障害を呈してきます。
血液中の脂肪分から、高脂血症の有無や動脈硬化の危険性などを調べます。
血液中のコレステロール全体の濃度を表します。
血液中のコレステロールの約8割は肝臓を中心として体内で合成され、残りの2割が食事から摂り込まれています。
細胞膜の構成要素やホルモンの材料でもあり、人間の体に欠かせない大切な栄養素ですが、この濃度が高すぎると動脈硬化の原因にもなるため、基準値である220mg/dl以下が望ましいとされています。
遺伝的疾患(家族性高リポ蛋白血症)、糖尿病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、閉塞性黄疸、肥満などが原因で高くなります。
家族性低リポ蛋白血症、消化吸収不良、低栄養状態、肝硬変、甲状腺機能亢進症などが考えられます。
中性脂肪は3分子の脂肪酸がエステルに結合した大きな分子量の物質で、トリグリセライドとほぼ同じ意味です。
食事から摂った糖質のうち、利用されずに余った部分が肝臓で中性脂肪として作り変えられます。
貯蔵型のエネルギー源としての役割は重要ですが、中性脂肪値基準値以上になると、善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えるため、動脈硬化が発症しやすくなります。
また、非常に高い値の場合は生命に関わる急性膵炎の合併の危険が高くなります。
逆に中性脂肪値が低すぎると脂溶性ビタミンの吸収が低下し、体の潤いや肌の色艶が損なわれることもあります。
肥満、食べすぎ、運動不足、糖尿病、アルコール性肝障害、などの生活習慣に関わる問題、遺伝的疾患(家族性高リポ蛋白血症)、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などで上がることがあります。
低栄養状態、吸収不良症候群、肝硬変、甲状腺機能亢進症などで低くなることがあります。
善玉コレステロールと言われることが多く、体の末梢の細胞から余分になったコレステロールを肝臓に運び込む役割をしています。
血管内の余分なコレステロールを掃除してくれるため、HDLコレステロールは動脈硬化を予防する働きがあります。
生活習慣による影響を受けやすく、総コレステロールや中性脂肪の値が高い人はむしろHDLコレステロールは低い傾向があります。
HDLコレステロールが低い場合は動脈硬化を促進させる可能性があります。
一方、HDLコレステロールが高い人は長寿の傾向がみられます。高カロリー食・喫煙・運動不足・肥満・遺伝などに影響されます。
喫煙・運動不足・肥満・遺伝などが原因で低下することがあります。
痛風の危険や腎臓の働きなどを調べます。
尿酸は、プリン体という物質の代謝によって生じる老廃物です。
正常では尿と共に排泄されますが、何らかの原因で血液中に尿酸が多く貯まってしまう場合があり、「高尿酸血症」と呼ばれます。
高い濃度の状態が続くと結晶化して関節などに沈着することがあり、その結晶を中心に急性異物反応が起こると激しい関節痛を生じます。
これが「痛風」です。
「高尿酸血症」が続くと痛風のみならず、尿管結石ができたり、腎機能障害の原因になることもあります。
現代日本人成人男性の高尿酸血症の頻度は約20%にも達し、今も増え続けています。
近年の研究で、内臓脂肪の蓄積は尿酸代謝を悪化させ、高尿酸血症の引き金にもなっていることが解り、高尿酸血症はメタボリックシンドロームの一環として考えられています。
風・尿管結石・腎機能障害を合併する危険があります。
大きな問題となることは少ないのですが、栄養状態が低下したときなどに低値を示すことがあります。
腎臓は一種のフィルターとして、常に血液を浄化する働きを持っています。
腎臓から尿に排泄されるべき老廃物の血中濃度を測定し、腎臓の働きを調べることができます。
尿素窒素とは、血清中の尿素に含まれる窒素分です。
蛋白質が壊されると最終的に有害なアンモニアが発生しますが、肝臓でアンモニアと二酸化炭素から尿素が作られ無害化されます。
尿素は腎臓を通過する際に一部は血液中に戻り、残りは尿中に排泄されます。
尿素窒素の検査から腎臓の働きを知り、蛋白代謝の状態を推定することもできます。
腎機能低下、脱水状態、消化管出血、組織の崩壊、絶食、蛋白質の過剰摂取などが疑われます。
蛋白質の摂取不足、肝機能低下状態、妊娠 などが考えられます。
クレアチニンは筋肉中のクレアチンという物質から作られ、腎臓ではほとんど吸収されることなく尿中に排出されるので腎機能の状態を判断しやすく、腎機能の指標として良く用いられます。
腎機能を推定するにはBUNに比べて的確であるとされています。
クレアチニンが作られる量は筋肉量によって決まるので、筋肉量の多い人は高め、筋肉量の少ない人は低めの値を示します。
腎機能低下、脱水症、ショック、心不全、大量出血など。
栄養状態不良、筋肉量が極端に少ない体格、筋ジストロフィーなど。
血液中の糖分濃度から糖尿病あるいはその危険性を調べます。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。炭水化物はブドウ糖に消化され、小腸から吸収されます。
吸収されたブドウ糖はインスリンの働きで各組織の細胞に取り込まれ、エネルギー源となります。
余分になったブドウ糖は脂肪に置き換えられ、蓄積されていきます。
血糖値は食事・ストレス・ホルモンバランス異常などの諸条件で上下することがあります。
そのため、1回の血糖値検査のみで正常と異常を判断することは難しく、総合的な判断が必要です。
しかし、血糖値が200mg/dl以上であれば、測定時間や食事などの要因に関わらず糖尿病と判断されます。
下記の別枠を参照下さい。
HbA1cはグリコヘモグロビンとも呼ばれます。
赤血球中に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものです。
高血糖状態が長く続くとHbA1cの量も増加していくので糖尿病の血糖コントロール状態をHbA1cの値によって知ることができます。
血糖値は時間や食事によって変動が大きいのに比べ、HbA1cは検査直前の食事の影響を受けず、1~2ヶ月間の平均的血糖値を反映します。
血糖値と併せて糖尿病の正確な判定を行う情報となります。
診断には医師による診察等が必要です。
今回の検査で医療機関の受診を勧められた場合は、出来るだけ速やかに医療機関に相談して下さい。
最新の血液検査項目を用いて動脈硬化の危険性を調べます。
近年、微量のCRPが測定可能となり、高感度CRPと呼ばれています。
動脈硬化を持っている人はこの高感度CRPが普通の人に比べて高いことが知られるようになりました。
また、高感度CRPは糖尿病や肥満、喫煙、加齢でも高い値を示すことが次第に明らかになってきました。
CRPは従来から炎症の程度を示す指標として長年利用されてきましたが、高感度CRP検査はコレステロールや中性脂肪のデータなどと併せることにより動脈硬化のリスク判定にも利用できることが解ってきたのです。
最近では動脈効果の進展にはジワジワと続く弱く慢性的な炎症状態が重要な役割を演じていると考えられています。
ただし、従来の炎症指標としてのCRP検査に比べ、動脈硬化判定用の高感度CRP検査では測定する濃度レベルは一桁以上小さくい値を検知しています。
0.11mg/dl以上の場合、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患発症のリスクが高いと判定されます。
ガンに関連して血中濃度に変化をきたす物質を測定することでガンの発見に役立てます。
腫瘍マーカーとは正常細胞ではほとんど産生されず、腫瘍細胞が特異的に産出する物質、あるいは腫瘍が体内にあることで他の組織が作りだしてしまう物質のことです。
医療機関では、ガンの補助診断や治療効果の判定、病勢の経過観察などに利用されています。
一般に腫瘍マーカーはガン以外の病気でも異常値をとることがあり、臓器特異性に弱いので、最終的な診断には医師による診察や多の臨床検査による総合的な判断が必要になります。
腫瘍マーカーが正常範囲内にあってもガンが存在しないと断定は出来ませんが、腫瘍マーカーの測定結果が著しく高い場合には腫瘍性疾患の可能性が高いので、速やかにお近くの医療機関を受診して下さい。
ペプシノゲン(ペプシノーゲン)は胃の粘膜で作られる消化酵素(ペプシン)の前駆物質で、その1%が血液中にも認められます。
ペプシノゲンは構造の違いからペプシノゲンIとペプシノゲンIIに分類されます。
ペプシノゲンIは主に胃酸を分泌する領域(胃底腺領域)から分泌され、ペプシノゲンIIは胃全体から分泌されます。
両方の値を調べることで胃の状態が推測できます。
慢性胃炎が更に長引くと胃の粘膜が薄くなり「萎縮性胃炎」の状態になります。
実は多くの胃炎は萎縮性胃炎から発生することが解っており、萎縮性胃炎はガンの前段階と考えられています。
萎縮性胃炎ではペプシノゲンIが低下しI/II比も低下します。
従って血液中のペプシノゲンを測定することで萎縮性胃炎の診断が可能になります。
ペプシノゲンIが70 ng/ml 以下で、且つI/II比が3以下であれば陽性、即ち萎縮性胃炎と診断され、これらの値が低いほど胃粘膜の萎縮も強く、胃ガンのリスクも高いと判定されます。
ペプシノゲンは厳密な意味では腫瘍マーカーではありませんが、胃ガンとの関連性が非常に強いので胃ガンの初期検査として重要性が注目されている項目です。
もしペプシノゲン検査で陽性所見が出たら、できるだけ早く胃の内視鏡検査あるいはバリウム検査を受けることをお勧めします。
アルファフェトプロテイン(AFP)は、正常では胎児期の肝臓と卵黄嚢で作られますが、出生後は作られなくなります。
本来は作られないはずのAFPが、肝細胞ガンの細胞からは盛んに作り出され、しばしば非常に高い濃度で血中に検出されるようになります。
しかし、肝細胞ガン以外の肝疾患、例えば劇症肝炎、新生児肝炎、先天性胆道閉塞小などでも上昇することが稀ではありません。
目安として、AFPが500ng/mlの時には肝細胞ガンが強く疑われ、10,000ng/mlの高値では肝細胞ガンとほぼ診断ができます。
転移性肝ガン(他の部位のガンが肝臓に転移して増殖したもの)では多くの場合、AFPは上昇しません。
肝硬変や慢性肝炎(特にC型肝炎)を持っている方は、肝細胞ガンが発生しやすいので、定期的にAFPの検査を受け、ガンの合併に注意されることをお勧めします。
卵巣ガンで特徴的に上昇する腫瘍マーカーですが、子宮内膜症などの良性疾患でも陽性になることがあります。
CA125の値は月経期間中は高値になるため、この期間は検査を避けるべきであるとされています。
婦人科以外のガンでは、肺ガン、乳ガン、消化器ガン、腎臓ガンで時に高くなることがあります。
また、正常な妊娠時にも高くなる場合があります。
CA125の正常値は35U/ml以下とされていますが、健常女性の約1%、婦人科良性疾患の約6%にそれ以上の高い値を示します。
膵ガン、胆道系ガン、胃ガン、大腸ガンなどで上昇します。
特に膵ガンの場合、その90%でCA19-9が高値を示すので膵ガンのマーカーとして重要です。
稀に胆石症でも陽性になることがあります。
前立腺で作られています。
前立腺ガンや前立腺肥大、前立腺炎などで増加します。
値が高いほどガンの可能性が高く、軽度増加の場合はガンとガン以外の疾患の区別が難しく、他の検査と併せて判断することが必要です。
CEAは当初、大腸がん組織から抽出され、胎児腸管にも存在することからこの名称となりました。
消化器系のがんで陽性になることが多い腫瘍マーカーですが、肺がんでもしばしば高値をとります。
高値の場合は、結腸がん、直腸がん、膵・胆管がん、胃がん、肝細胞がん、肺がんなどが疑われますが、時に子宮がん、乳がんでも上昇することがあります。また、ヘビースモーカー、肝硬変、加齢によっても軽度に増加する傾向にあります。
がんが存在する場合は、がんの大きさや転移の有無など、がんの進行度にある程度比例して高い値をとる傾向が見られます。治療によりがん組織が切除されたり縮小することでCEAの値が低下する場合が多いので、がん治療の経過観察と評価のために、定期的に検査されることが多い腫瘍マーカーです。
治療により一旦CEAが低下した後、再び上昇してきた場合には再発が疑われますので、がんの治療を受け、治癒したと思われる方でも、念のためCEA検査は定期的に受けられた方が良いでしょう。
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